返済比率を考えるにあたって ①
(前回のおさらい)
・自分が最も重要視している指標は、『返済比率』であること。
・この『返済比率』とは、家賃収入÷ローン返済額で求められ、大体50%を水準として検討していること。
・『返済比率』のコントロールには、いくつか方法があること。
これらについて記載しました。
なお返済比率を考えるにあたっては、前回避けて通れないものがあるとぼやかして記載してましたが、今回はそれについて書きたいと思います。
まず結論から申し上げると、避けて通れない、すなわち必ず知る必要があると考えているのは、銀行等の金融機関における『融資条件』です。
1.物件よりも融資条件を知ることの方が先
不動産投資を検討している方で、現金で購入する方以外の方には、
絶対に『物件よりも融資が先』と声を大にして言いたいです。
そんな自分も楽待や健美家などの収益物件サイトを見ながら、物件から先に検討していました。
ただ、どんなに高い利回りの物件を見つけて、自分が一番手になったとしても金融機関からの融資が下りなければ購入できませんし、仮に融資が下りたとしても金利が極端に高かったり、返済期間が短い場合は返済に困ることになります。
したがって、まず金融機関の融資条件を知ることから始めて、それに合わせた物件を検討することをおすすめします。
2.アパートローンとプロパーローン
・アパートローン
主にサラリーマン等の不動産による資産形成にあたって、融資条件等がパッケージされたローンです。金利は高めで物件評価に加え、勤め先や年収などのいわゆる属性も評価される。
・プロパーローン
個人事業主や法人などを取引相手として、その事業に対して行われるため、融資条件がそれぞれ異なります。金利はプロパーローンに対して概ね低め。
ざっくりこんな感じでしょうか。自分のような中流サラリーマンは、まずはアパートローンを知ることから始めました。もちろん住宅ローンとも全然違いますので、お間違えないように。
3.アパートローンの取扱金融機関
アパートローンを積極的に展開しているのは、以下の金融機関です。
・静岡銀行
・セゾンファンデックス
・三井住友トラストL&F
あとはアパートローンという名称ではありませんが、以下の金融機関もかなり融通が利きます。
・日本政策金融公庫
上記以外にも新築などであれば、メガバンクや地銀などの融資もありますが、
新築の利回りと個人的な旨みを考えるとそれほど魅力とは思えなかったことから、
上記は主に中古アパートを検討するにあたっての金融機関であると思ってください。
4.おすすめの金融機関
自分がよく利用しているのは、静岡銀行のワイドローンという商品です。
融資条件は大体こんな感じです。
・一都三県の主要エリアの物件を対象
・物件評価は積算評価
・融資金額100%可能(フルローン)
・金利は、3.3~3.9%
・融資期間は、55年もしくは60年-築年数
・審査が早い(仮審査で1週間程度)
このなかで特に融通が利いているのが、
・融資期間は、55年もしくは60年-築年数 という点です。
金融機関における融資期間は、基本的には物件の法定耐用年数(例:木造22年)までとなるため、築年数の経過した物件は融資期間が極端に短くなるか、融資自体を受けられないケースがあります。
しかしながら静岡銀行のワイドローンは、属性に応じて55年もしくは60年から築年数を除いた年数(最長30or35年)まで組めます。
そのため、融資期間を長めに設定しつつ返済比率も一定抑えながら、アパート経営が出来るというメリットが受けられます。
ただ物件評価は積算評価のため、販売価格と積算評価を埋めるためのエビデンスの提示が求められます。そのため、一定の金融資産を保有している必要があります。
ただそれを補って余りあるエッジの効いた融資期間の設定が出来ますので、まずは検討してみてはいかがでしょうか。
他行の融資条件についてもまた書いていきたいと思いますが、融資条件は刻々と変わりますので、注意が必要です。